2014/09/19

露草

 あれっ、と思った。今まで庭でこんな色合いのものは見たことがない。それは小さな露草だった。

 我が家は築30年ほどになる平屋の借家で、もう住み始めて8年くらいになる。猫の額にも足りないような小さな庭があるのが好きで、ここに決めたのだ。大家さんの関係者が庭師だったそうで、小さいながらも松や椿、ビョウヤナギにホトトギス、ギボウシ、ドクダミなどが植えてある。でも、露草は見たことがなかった。

 露草なんてあったっけ、と周りを見渡したら、我が家の目の前にある公園の壁にも露草が咲いているのを見つけた。嬉しくなって夫を呼び、ほら、と2人で眺める。小さくて楚々とした花。

 でも、たった2日後に公園の露草は雑草として刈り払われ、跡形もなくなってしまった。こんな小さな花なのだ。花が咲いていると気に止めた人もいなかったのかもしれない。それでも私は取り払われてしまったことが惜しくて、庭の露草を眺めながら、来年また咲いてくれるといいけれど、と願っている。

2014/09/05

去る8月28日(木)、大阪にて「あなたらしい魅力が伝わる文章講座」を開催しました。
21人もの方にお集まりいただき、私もとても楽しい時間を過ごすことができました。
お客様の声を、一部抜粋でお届けしますね。
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今日は楽しくわかりやすくあっという間の時間でした。
ありがとうございました。
わかっていてやっていなかったところや考えて書く等当たり前のことをもう一度意識して短い文章から書いてみたいと思いました。
ニガテから書いてみようと思えるようになったこと嬉しく思います。
(Mさん・女性)
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今まで意識していなかったことに光を当てていただいた講座でした。
単語を1つクローズアップしても受け取り方は確かに様々で、色んな側面から表現してみる大切さが分かりました。
最初にやった自分を掘り下げるワークも、今までにやったものとは視点が違い、より具体的になったという点で面白かったです。
文章を書く前のワーク、後で行うチェックリストも、今すぐ使えるものばかりで、今後自分の書く文章がどう変わるか、楽しみです。
(Yさん・女性)
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今まで一番大切なところを出しおしみしていたり、濁していたのは薄々…いえ、結構気づいていましたが、そこのところをよどみなく書いていけるようになれそうな講座でした。
書くことをもっともっと楽しんで(トランポリンでびょんびょん跳んでいるような勢いで)書いてみようと思います。
(Tさん・女性)
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講座でお伝えしたことはたくさんありますが、ひとつずつ、すこしずつ意識していただければ嬉しいです。
またどこかでお目にかかりましょう!
 軽いアレルギーで喉がかゆくなるので、果物には食べられないものも多いのだけれど、和梨は別。この季節になると、喜び勇んで食べる。

 昨日、夫が22個で600円という格安の梨を買ってきた。福島県産だからこんなに安いのだろうか、という複雑な感情を抱きつつ食べたそれは、果汁をたっぷりと含んでどこまでも瑞々しく、私の喉をすんなり滑り落ちていく。梨を剥くと祖母を思い出すのは、自身も梨が大好きだった祖母が、私が学校を休んでいたときによく食べさせてくれたからなのだろう。

 今朝、朝食がわりにまな板の上で半分に割って、はじめて気がついた。小ぶりな梨を半分にした姿は、大好きなミナ・ペルホネンの「ちょうちょ」というテキスタイルにそっくりな形をしているのだった。